2010年02月21日

「エネルギー基本計画見直しに関するご意見の受付について」への意見

経済産業省資源エネルギー庁は2月9日から、「エネルギー基本計画」という日本のエネルギー政策に関する基本計画を見直すための検討を行うに当たり、国民からの意見を募集しています。

エネルギー基本計画見直しに関するご意見の受付について

下記は意見募集の対象となる「「エネルギー基本計画」見直しに当たっての論点」の一部と、それに対する意見のメモです。
興味がある方はご覧いただき、参考にしていただけるとうれしいです。
1.基本的視点
<エネルギーの安定供給の確保>
○ 今後のエネルギー安全保障の確保については、これまでの石油依存や中東依存の低下といった視点に加え、原子力や再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーの推進や資源確保に向けた国際的な交渉力の強化が一層重要になるのではないか。
⇒「非化石エネルギーの推進」ではなく、「国産エネルギーの推進」とするべき。
安定供給確保に重要なのは「化石か否か」ではなく、「国産か否か」であるため。


このため、2030 年をターゲットとして、国産・準国産エネルギーや海外権益等も含めた総合的なエネルギーセキュリティ指標を基軸となる政策目標として掲げ、環境保全、経済性も考慮しつつ、エネルギー需給構造の改革を大胆に進めるべきではないか。
⇒「準国産エネルギー」を除外するべき。
国が「準国産」エネルギーと位置づけている原子力は、現在は「準国産」ではない。
40年後の2050年の実用化を目指して開発を進めている核燃料サイクルが実現して初めて「準国産」となるが、それまでに実現する確証はない。
エネルギー安全保障の確保には、現在実用化している、もしくは2020〜30年という近い将来実用化する見込みのあるエネルギーを選択するべき。


○ 本来自給率向上に資する再生可能エネルギーの大量導入による供給不安定性に、どのように対応していくべきか。
⇒大量導入による供給不安定性の懸念があるのは主に太陽光発電と風力発電であり、地熱発電、小水力発電、バイオマス発電、波力発電といった再生可能エネルギーは比較的安定性が高い。
そのため、これらの大量導入に向け、開発・普及を進めるべき。


その他、地震やパンデミック等の「新たな安定供給上の課題」にも対応していくべきではないか。
⇒日本は地震大国であるため、地震による長期停止のリスクが高い原子力の割合は段階的に減らし、こういったリスクの低いエネルギーに切り替えていくべき。


<地球温暖化問題への対応>
○ 地球温暖化対策に対する社会的要請が高まる中で、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築や意欲的な目標の合意が前提であるが、「2020年までに温室効果ガスの25%排出削減を目指してあらゆる政策を総動員」という政府方針のもと、抜本的な対策強化が必要ではないか。
その際、産業の国際競争力に与える影響にも留意すべきではないか。
⇒2020年までに温室効果ガスの25%削減を実現するためには、「あらゆる政策を総動員」ではなく、限られた費用を、確実に削減できる対策に、重点的に投じる必要がある。
そのため、地震で長期停止するリスクが高い原子力や、科学的な知見が不十分で技術的にも未成熟なCCSなど、2020年までの削減に寄与できない恐れがある対策ではなく、省エネや再生可能エネルギーといった、確実に削減できる対策を大幅に強化するべき。


<その他(成長戦略との一体性、意欲的な目標設定)>
○ 資源・環境制約が高まる中、米国のグリーンニューディール政策をはじめとして、エネルギー環境分野の技術革新を雇用創出、経済成長の原動力とする動きが世界的な潮流となり、我が国でも「環境・エネルギー大国」の実現を目指した「新成長戦略」の検討が進んでいる。
今後は、エネルギー政策の見直しを産業の競争力強化、優れた低炭素技術の国際展開、新たな市場・雇用の創出に有機的に連携させていく視点が重要になるのではないか。
⇒「環境・エネルギー大国」の実現には、世界第3位の資源量を誇る地熱資源(*1)を活用した地熱発電や、世界第6位の排他的経済水域(*2)を活用した洋上風力発電、波力発電などをの開発・普及に向けた対策を大幅に強化するべき。

*1 経済産業省 地熱発電に関する研究会 中間報告のP.4(http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004561/g90609a01j.pdf
*2 環境省 我が国の排他的経済水域(http://www.biodic.go.jp/cbd/2006/pdf/0926_2_1.pdf


2.基本的視点を踏まえた新たなエネルギー需給構造のあり方
<エネルギー供給構造の改革>
○ 安定供給、低炭素社会構築の切り札となる原子力発電については、安全を大前提としつつ、新増設の円滑化や先進諸国並みの設備利用率を確保するとともに、核燃料サイクルの着実な推進を図るための取組の強化が必要ではないか。
⇒原子力発電は、安定供給確保の切り札ではない。理由は下記の4点。
・地震による長期停止のリスクが高いこと
・ウランの可採年数は85年と言われており、持続可能ではないこと
・米国、中国、インドなどの大国・新興国による導入が急増し、ウランの価格の高騰や需給の逼迫というリスクがあること
・燃料加工の工程のうち、「転換」をすべて外国に依存し、「濃縮」も9割以上、「再転換」は5割以上、依存していること(*3)

*3 経済産業省 「原子力立国計画」のP.43より(http://www.enecho.meti.go.jp/policy/nuclear/pptfiles/061020hokokusho.pdf

⇒原子力発電は低炭素社会構築の切り札でもない。地震によって長期停止し、火力発電によって賄うとCO2排出量が増加するため。
05年に閣議決定された「京都議定書目標達成計画」では、「原子力の推進等による電力分野における二酸化炭素排出原単位の削減」が謳われていたが、実際には地震による停止やトラブルによる稼働率の低迷で、長期停止の影響を受けていない時の水準より大幅にCO2排出量が増加した。
環境省が毎年発表している温室効果ガス排出量の資料によると、その増加量は、05年度は2900万t、06年度は3900万t、07年度は6300万t、08年度は6400万tにも上る。(*4)
地震大国の日本では、地震による長期停止のリスクが高い原子力は、低炭素社会構築の切り札ではないばかりか、実績が示しているように、逆に足かせとなっている。

*4 環境省 日本の温室効果ガス排出量(http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/index.html

⇒以上の理由から、日本は核燃料サイクルから撤退し、安定供給確保と低炭素社会構築に資するエネルギーへと切り替えるべき。


○ 再生可能エネルギーについて、供給安定性、国民負担、炭素リーケージに留意しつつ、利用拡大に向けた目標を掲げ、固定価格買取制度の拡充や関連規制の緩和措置を講じるべきではないか。
また、再生可能エネルギー導入に伴い生じる系統安定化対策を更に進めるべきではないか。
さらに、エネルギー供給構造高度化法を活用し、エネルギー事業者による非化石エネルギー(バイオガス、バイオ燃料を含む)利用拡大に向けた目標や基準を具体化し、具体的取組を促進していくべきではないか。
⇒「非化石エネルギー」ではなく、「再生可能エネルギー」とするべき。
前述の通り、安定供給確保に重要なのは「化石か否か」ではなく、「国産か否か」であるため。
また、「温暖化」は環境問題の一つに過ぎない。温暖化のみに対応したエネルギーよりも、中長期的な視点から、温暖化も含めた「環境問題」に対応し得るエネルギーが望ましい。
よって、「温室効果ガスの排出量が低い」だけでなく「環境負荷が低い」再生可能エネルギーの開発・普及を強化するべき。
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